この記事はバージョン Winter ’26 において執筆しています。
現在の動作と異なる場合がありますので、ご認識おきください。
Experience Cloud において、パフォーマンスと開発の柔軟性に優れた LWR (Lightning Web Runtime) への注目が高まっています。しかし、サイトを新規作成する際、以下の2つのテンプレートのどちらを選ぶべきか迷ったことはありませんか?
- Build Your Own (LWR)
- マイクロサイト (LWR)

「どちらもLWRベースでしょ?」と思われがちですが、実は想定されているユースケースや標準機能に明確な違いがあります。
本記事では、この2つのテンプレートを使い分けるための重要な観点を解説します。
結論:使い分けの決定的な違い
一言で言えば、「長期的なWebアプリケーション」を作るならBuild Your Own、「短期・特定目的のマーケティングページ」を作るならマイクロサイトです。
それぞれの特徴を深掘りしてみましょう。
Build Your Own (LWR):自由なキャンバス

その名の通り、「自分自身で構築する」ためのテンプレートです。最もベーシックで、かつ最も拡張性が高いのが特徴です。
- 主な用途:
- 顧客向けポータルサイト
- パートナーポータル
- 複雑なビジネスロジックを持つWebアプリケーション
- 長期運用するコーポレートサイト
- 強み:
- 認証機能: ログインが必要なサイト構築が前提として設計されており、ユーザーごとのデータ出し分けが得意です。
- 階層構造: 深い階層を持つサイトマップや複雑なナビゲーションに対応しやすいです。
- 開発自由度: 不要な標準コンポーネントが含まれていないため、LWC (Lightning Web Components) を駆使して1ピクセル単位でUIを制御したい場合に最適です。
マイクロサイト (LWR):マーケティング特化型

イベント告知やランディングページ(LP)など、特定のキャンペーンのために素早く立ち上げることを目的としたテンプレートです。
- 主な用途:
- イベント・ウェビナー登録ページ
- 新製品のランディングページ
- 期間限定のキャンペーンサイト
- リード(見込み客)獲得用のフォーム
- 強み:
- リード獲得機能: 「リードフォーム」コンポーネントが標準で利用可能で、Web-to-リードのような機能をノーコード・ローコードで素早く実装できます。
- 立ち上げスピード: 必要なレイアウトやコンポーネントが予めセットされており、デザイン調整だけで公開まで持っていける手軽さがあります。
- 公開アクセス: 基本的に「ゲストユーザ(ログインなし)」への情報発信を主眼に置いています。
比較表:機能と特性の違い
2つのテンプレートの違いを整理しました。
| 比較項目 | Build Your Own (LWR) | マイクロサイト (LWR) |
| 主な目的 | 業務アプリ、ポータル構築 | マーケティング、LP、イベント |
| ターゲット | 既存顧客、パートナー、従業員 | 見込み客 (Lead)、一般大衆 |
| 認証(ログイン) | 推奨 (認証あり/なし両対応) | 非推奨 (主にパブリック公開) |
| サイト構造 | 多階層、複雑なページ遷移 | 1ページ完結 (LP) または浅い階層 |
| 標準コンポーネント | 最小限 (開発者が追加) | リードフォーム等、マーケティング向けが含まれる |
| 開発工数 | 高 (LWC開発が必要な場合が多い) | 低 (標準機能での構成が容易) |
| 運用期間 | 長期 (数年単位) | 短期〜中期 (キャンペーン期間中など) |
どちらを選ぶべきか?(フローチャート)
迷ったときは、以下の質問を自分に投げかけてみてください。
- 「ユーザーはログインして自分のデータを見ますか?」
- YES → Build Your Own (LWR)
- NO → 次へ
- 「サイトの主な目的は、フォームからの見込み客登録ですか?」
- YES → マイクロサイト (LWR)
- NO → 次へ
- 「デザインや機能をゼロから完全にフルスクラッチしたいですか?」
- YES → Build Your Own (LWR)
運用の鍵は「データ分析」にあり
マイクロサイトテンプレートを選択する場合、多くは「どれだけリードを獲得できたか」「どのキャンペーンから流入したか」というマーケティング成果が求められます。
LWRサイトはパフォーマンスが非常に高い反面、シングルページアプリケーション(SPA)として動作するため、Google Analytics 4 (GA4) などの計測ツールを導入する際には、LWR特有の実装テクニックが必要になります。
「マイクロサイトを立ち上げたけれど、効果測定がうまくできない」という事態を防ぐために、以下の記事で LWRサイトにおけるGA4の正しい設定方法 を詳しく解説しています。こちらも合わせてご覧ください。
まとめ
- Build Your Own (LWR) は、Salesforceデータを活用した本格的なWebアプリケーションやポータルサイト向け。
- マイクロサイト (LWR) は、スピード重視のランディングページやリード獲得キャンペーン向け。
プロジェクトの要件定義の段階で、「誰に」「何を」「どの期間」提供するかを明確にすることで、最適なテンプレートを選択できます。LWRの高速なパフォーマンスを活かして、素晴らしいデジタル体験を構築しましょう。




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